あぁ、おまえか。
僕ではないモノが僕を蝕んでゆく
なにやら懐かしい黒いモノが
僕の半身に広がってゆく
笑いかける、所詮君は偽りだと
僕を創造し本能を拒否した「僕」は
僕を僕のまま操ろうとする
あの日から愛されたことのない「僕」は
他人の温もりを求めようとする
僕が再び地に這いつくばるように..
そして「僕」が満たされるように
いつからか
僕はいつも空から眺めている
..だから僕は地上が嫌いだ
大地は憎き相手なのだ
だから僕は空が好きだ
僕は侵されずに済むから
ずっとずっと、忘れていられるから
本当のことなんて、全部「僕」のモノだから
でも..大地に引き戻された瞬間
同時に僕は絶望を味わう
僕ではない感覚に
他人の身体
僕は違う、産まれた時から存在しない筈なのに
何故再び此処に居る?
「僕」のままでいいよ
僕に任せなくていいよ
これは「僕」の身体なのに
どうしていつも、僕に......